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いる半分成長し

うように片手をふった。「おまえがここにいるのは忠告をするためで、わたしにへつらうためではない。それにおまえの正直な言い方には深く感じ入った。よかろう、ここの戦さを片づけるまではアローン人との戦争は延期しよう。愚かしさはしかたがないとしても、狂気は別だ。世界はタウル・ウルガスで狂気にはうんざりしたはずだからな」ザカーズは行ったりきたりしはじめた。「ちくしょう、ベルガリオンめ!」いきなりわめいた。「なにをするつもりだ?」
「あの――陛下」ブラドーが遠慮がちに口をはさんだ。「ベルガリオンは西方にはおりません。つい先週メルセネで姿を目撃されています」
「メルセネでなにをしているのだ?」
「そこまではわからなかったのです、陛下。ですが、ベルガリオンがメルセネ諸島を出発したことはきわめて確実です。どこかこの近くにいるものと思われます」
「混乱に拍車をかけようというのだな、まちがいない。かれを逃がさんよう警戒しろ、アテスカ。あの若者と長い話し合いがしたいのだ。ベルガリオンは自然災害よろしく世界をかっぽしている」
「必ず居所をつきとめるよう努力します、陛下」アテスカは答えた。「では、陛下のお許しがあれば、これから部隊の荷積みを監督しに行きたいと思いますが」
「フェラへつくまでどの安利呃人くらいかかりそうだ?」
「三、四日でしょう、陛下。部隊にオールを漕がせるつもりです」
「いやがるだろう」
「しかたがありませんよ、陛下」
「よし、行け。わたしも数日おくれで出発する」
 アテスカは敬礼して出ていこうとした。
「そうだ、ところで、アテスカ」ザカーズは思いついたように言った。「小猫を一匹連れていったらどうだ?」部屋の向こう側でうろうろしてた猫たちを指さした。
「あ……」アテスカはためらった。「たいへんありがたいのですが、陛下、猫の毛が目にはいるとまぶたが腫れ上がってしまうんです。これからの数週間は目が見えないと困ります」
 ザカーズはためいきをついた。「わかった、アテスカ。それで全部だ」
 将軍は一礼して部屋を出ていった。
 ザカーズは首をかたむけた。「ふむ、小猫がだめでも、元帥の司令杖は与えなくてはならんだろう――もっとも、アテスカのこの戦いが成功した場合だけだが」
「いうことなしです、陛下成人益生菌」ブラドーがつぶやいた。

 オトラス大公のマロリー皇帝としての戴冠式はとどこおりなく行なわれた。もちろんオトラスはどうしようもないまぬけだったから、儀式のあいだじゅう手をつかんであれこれ教えてやらなくてはならなかった。儀式が終わると、ザンドラマスはヘミルの宮殿内にあるごてごてした王座にオトラスをすわらせ、新たな皇帝にへつらい、おもねることという指示を与えた。それから急いでたちさった。
 ゲラン王子はザンドラマスがみずから選んでおいた神殿の簡素な部屋にいた。中年のグロリム尼僧がずっと見張っていた。「けさはとてもよい子でした、聖なるザンドラマスさま」尼僧は戻ってきたザンドラマスに言った。
「よい子だろうと、悪い子だろうとお卓悅化妝水んなじことじゃないか」ザンドラマスは肩をすくめた。「もうさがってよい」
「はい、聖なる尼僧さま」中年女は膝を折り曲げると、出ていった。
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