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の中心地におい

、狂気の沙汰としか思えない埋めかたをされていたことは、既に記している。犬の死体を調べて、一頭だけ行方不明になっているのがわかったことは、記しただろうか。このことについて、わたしたちはあとになるまで深く考えなかった――そのときも、ダンフォースとわたしだけが、思いをめぐらしたにしかすぎなかった。
 わたしは多くのことを隠しつづけてきたが、なかでも重要なのは、死体にかかわることと、うわべは混沌としているものに、恐ろしくも信じがたい論理的な説明をつけるかもしれない、特定の微妙なことがらだ。これまでわたしがこうしたことを人びとに知らせないようにしてきたのは、何もかもをレイクの一行のなかから発狂した者が出たせいにするほうが、簡単――はるかに正常とうけとりやすいこと――だったからにほかならない。あのありさまからして、例の悪魔的な山の風は、地上のありとあらゆる神秘とわびしさて、誰かを発狂させるほど激しかったにちがいない。
 もちろんこのうえなく異常だったのは、死体――人間と犬の双方の死体――の状態だった。すべてが何か恐ろしい闘いでもしたかのように、すさまじくもまったく不可解なやりかたで、引き裂かれ、ずたずたに切り裂かれていたのだ。わたしたちに判断しえたかぎりでは、死因は狭窄《きょうさく》か裂傷によるものだった。どうやら最初に騒動をおこしたのは、不完全な囲いが内側から激しく破られていることからして、犬たちだったらしい。犬たちがあの地獄めいた始生代の生命体をひどく嫌っていたために、囲いはキャンプからある程度離れたところに設けられていたのだが、この用心も無駄なものだったようだ。高さが不十分な弱い壁に囲まれたまま、すさまじい風にさらされたとき、犬たちは先をあらそって逃げだそうとしたにちがいない――それが風そのものによるものか、あるいは悪夢じみた標本が放つ、いやましにつのる微妙な臭《におい》によるものかは、誰にもわからないことだが。
 しかし何がおこったにせよ、胸が悪くなるような恐ろしいことだったのだ。おそらくわたしはとりすました態度をとるのはやめ、最悪のことをはっきり記すべきなのだろう――いきなり断言することになるが、ダンフォースとわたしが直接目にしてもっとも厳格な推測をしたことに照らして、当時行方不明だったゲドニーは、わたしたちの見いだした忌むべき恐怖に何の関係もなかったのだ。死体がすさまじくも引き裂かれていたことは、既に記している。いまつけ加えなければならないのは、死体の一部が、奇妙きわまりない、冷酷かつ非人間的なやりかたで、切り刻まれ、内臓をひきだされていたことだ。犬も人間も同様だった。四本足であれ二本足であれ、健康で体格のよかったものはすべて、注意深い肉屋がやったように、肉の一番しっかりした部分が切られて、とりさられていた。そしてそんな死体のまわりには、妙に塩――飛行機の食糧庫を荒してとりだしたもの――が撒き散らされていて、慄然たる連想をひきおこした。それがおこっていたのは、飛行機がひきだされていた粗雑な格納庫の一つで、ひきつづき吹いた風が足跡のすべてを消し去っているので、何一つもっともらしい説明をつけることはできなかった。犠牲にあった者から荒あらしくひきちぎられた衣服の断片も、手がかり
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